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あなたはこれから初詣へ行かないかと麻希を誘った。 「初詣かあ……。うん、いいよ! お母さんに、神社まで行くって電話するから、ちょっと待っててもらえる?」 麻希は笑顔で快諾し、軽い足取りで再び病院の中に入っていった。 あれからまだいくらも経っていないけれど、麻希は驚異的なスピードで回復しているそうだ。こうして普通に話して歩いているのを見ると、あの病床の姿が本当に嘘のようだ。 「お待たせ! ん、どうかした?」 あなたが感慨にひたっていると、麻希が戻ってきた。コートの明るい色が、冬の日差しを浴びて暖かげだ。
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