017
あなたはマークに、これからアラヤ神社へ初詣に行かないかと誘ってみた。 「あーいいぜ! って言うか実は初詣は夜中にオヤジとオフクロと一緒に行ってるんだけどさ。初じゃない詣でってことで! あ、まてよ初詣に行ったのは寺だから、神社は初ってことでいいか」 さすが地元っ子、話を聞くと、家族でお寺に除夜の鐘を突きに行ったそうで、毎年の恒例行事らしい。ともあれ快諾されたので、あなたはマークと共にゲームセンターをあとにした。 マークと雑談しながらアラヤ神社へと向かうと、いつもの閑散とした様子はどこへやら、参道には屋台がいくつも立って、大変な賑わいだ。 「ひゃー人多いな。て言うか……なんか不思議だな」 参道の人々を見ながら、マークは感慨深げだ。 「街がおかしくなって、園村のオフクロさんをここへ運んで、フィレモンの蝶にもここで会ったしさ。こんなに人がいっぱいいると、あのことが全部夢だったみたいだ」 確かに、いろいろなことが起きたあの同じ場所とは思えない。それだけ、街が平常に戻りつつあるということでもあるだろうか。 参拝の列に並ぶと、マークは続けた。 「初詣……俺は夜に一回済ませてるけど、そん時思ったんだけどさ、今年はこの町内の人間は同じようなことをお祈り? お願い? してるのかもなーって」 なるほど、そうかもしれない。ここにいる人々はほとんど同じ目に遭い、生き残った人々だ。 「 は何をお願いするんだ?」
|
もどる |