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家内安全、それに町内安全かな、とあなたは答えた。 「だよな! いろいろあったからなー、今年は家族も町内も平和に……っつーか、あんなのこと何度もあっちゃたまんねーよな」 あなたはマークと笑いあった。さすがにあんなことはもう起きないだろうけれど、世の中いつ何が起きるかはわからないのだ。そうことを痛いほど思い知った。 「俺らももう高三だしさー、親孝行もしねーとな」 マークは真面目に家族や将来のことを考えているようだ。元日からゲーセンに来ているかと思えば、結構シリアスなことも日々考えているのである。マークらしいなとあなたは思う。 「俺らの番が来たぜ!」 ふたりで並んで賽銭を投げ入れ、鈴を鳴らしてお参りをした。フィレモンへの挨拶も忘れずに。 社務所もお守りやおみくじを引く人々で賑わっている。 「おっし、じゃーおみくじ引くか〜」 マークはおみくじの筒をあなたにひとつ渡してきた。
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