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あなたはセベク跡地へやって来た。 セベクのあった場所には背の高い建設工事の壁が張り巡らされ、中は全く見ることができない。 街が元に戻った時、ここにあったデヴァ・ユガは一瞬で砂と塩と瓦礫の山に姿を変え、一時はこの辺りの道路まで埋まってしまっていた。 当然、国のいろんな機関がいろいろ調査していて、今も何かやっているようだ。ひとまずは有害な物質などは見つからなかったので、大騒ぎになることはなかったのだが……。 この辺りは商店よりオフィスビルが多いためか、人通りが少なく閑散としている。 あなたが歩いていると、向こうに背の高い男が立っている。よく見るとレイジだ。セベク跡地の向かい側の歩道から、跡地を見つめている。 レイジはグレーのパーカーと同じ色のジャージっぽいズボンにスニーカー、手にはバンテージテープを巻いている。どうやらトレーニング中といった格好だ。 「 か。てめえはどこにでも現れるな」 声をかけると、レイジは少し驚いたようだった。聞けば、やはりランニングの途中だと言う。その割に、走っておらず、黙って立っていたが。 ここで会ったのも何かの縁、レイジを初詣に誘おうか?
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