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あなたはこれから初詣へ行かないかとアヤセを誘った。 「あのさあ、さっきから気になってたんだけどぉ、そのかっこ……」 何と言われても、見た通り袖なし革ジャンにサングラスである。ロックを意識しました、と言うと……。 「ギャハハハハ!!! 正月からロック! ていうか、ロックなのそれえ!?」 アヤセはヒーヒー言いながら帯を抑えて大笑い。 「いやあもう、なんかいろいろどうでもよくなるわ、あんたのファッションセンス見てると。好きなもん着るのが最高って感じ!」 確かに振袖と袖なし革ジャンが横に並ぶと奇妙だな、と今頃あなたは思ったけれど、アヤセは気にしないようだ。 「よっし、じゃあ初詣行くか! やっぱ着物を着たからには和風っぽいとこ行かなきゃね」 あなたはアヤセと雑談しながらアラヤ神社へと向かった。 アラヤ神社はいつもの閑散とした様子はどこへやら、参道には屋台がいくつも立って、大変な賑わいだ。 屋台をのぞいてから参拝の列に並び、ふたり一緒に賽銭を投げ入れてお参りをした。フィレモンへの挨拶も忘れずに。 社務所もお守りやおみくじを引く人々で賑わっている。 「よっしゃ、初詣と言えばおみくじ! も気合い入れなよー」 アヤセにおみくじの筒を渡された。
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