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あなたはこれがロックの力だ……! と言った。 「あはははは!! そうだわ、ロックだわ!」 いったん収まった笑いがぶり返したようで、ゆきのは前かがみになって笑う。 「はー、いいじゃん、ロック。そうだよね、そのぐらいの気概で行った方がいいかな、今年は」 ロックですかー! ロックが一番、ロックがあればなんでもできる! とあなたは顎をしゃくれさせて言った。 「あはははは! ちょっともう、いい加減にしな!」 ゆきのはしばし笑い転げ、やがて呼吸を落ち着けるように深呼吸した。 「ちょっと良いこと言ったと思えばそれだもんね。はあ……、でも、笑うっていいね。ちょっとぐずぐず考えちゃってたけど、すっきりしたよ」 ゆきのは清々しい笑顔を見せた。 「さ、時間ないし行こうか!」 あなたはゆきのと雑談しながらすぐ近くのアラヤ神社へと向かった。 アラヤ神社はいつもの閑散とした様子はどこへやら、参道には屋台がいくつも立って、大変な賑わいだ。 屋台をのぞいてから参拝の列に並び、ふたり一緒に賽銭を投げ入れてお参りをした。フィレモンへの挨拶も忘れずに。 社務所もお守りやおみくじを引く人々で賑わっている。 「よし、新年一発目の運試しだ。 も!」 ゆきのにおみくじの筒を渡された。
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