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あなたは振袖似合ってる、と言った。 「はあ!?」 アヤセは驚いた顔をした。あなたもその反応に一瞬えっと思ったが、みるみるアヤセの顔が赤くなった。 「……ほんとさ〜、 ってそういうとこあるよね……。ストレートすぎってゆーか!」 どうやら直球の褒めに弱いらしい。 「ま、でも、ありがと! へっへっへ、これママが若い頃に着たやつなんだ。こういうのってあんま着る機会がないけどさ、若いうちに着なきゃ損だよねって」 お洒落について話す時、アヤセは楽しそうだ。 「よっし、じゃあ初詣行くか! やっぱ着物を着たからには和風っぽいとこ行かなきゃね」 あなたはアヤセと雑談しながらアラヤ神社へと向かった。 アラヤ神社はいつもの閑散とした様子はどこへやら、参道には屋台がいくつも立って、大変な賑わいだ。 屋台をのぞいてから参拝の列に並び、ふたり一緒に賽銭を投げ入れてお参りをした。フィレモンへの挨拶も忘れずに。 社務所もお守りやおみくじを引く人々で賑わっている。 「よっしゃ、初詣と言えばおみくじ! も気合い入れなよー」 アヤセにおみくじの筒を渡された。
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